その食堂は賑やかな広場から抜ける、細い通り沿いにひっそりと佇んでいる。普通に歩いているだけでは通り過ぎてしまうほど、ひっそりと。店の前にメニューが出ているわけでもなく、窓はすりガラスになっていて中を窺い知ることはできない。ブザーを鳴らすことで鍵を開けてもらい、中に入ることが叶うのだ。・メニューには特別なものは何もなく、いわゆるローマの家庭で食べられているような普通のものばかり。床には小さな乳白色のタイルが敷き詰められていて、所々に美しい水色のタイルがアクセントに入っている。長い年月を感じさせながらも、隅々まで清潔で、テーブルには店の名前が刺繍された真っ白なクロスがかけられていて、音楽はテーブルで交わされる常連たちの会話と、ステンレス製の薄いカトラリーの音だけだ。・注文をして、しばし待つと運ばれてくる料理たち。どの皿もイタリア料理らしさに溢れていて、行く度にここの厨房に入ってみたいという思いに駆られてしまう。素っ気ない盛り付け、パーフェクトな塩加減、野菜や肉はそれそのものの香りを放ち、これ以上のものはないといつも思う。・今月のクラスでは、この食堂で幾度となく食べたポルペッテを作ります。ようやくあの肉肉しい香りの秘密がわかりました。他にも有明海で採れる素晴らしい味わいの生海苔を使った手打ちパスタなどをこしらえますので、ぜひいらしてくださいね。日程などはプロフィール欄からご覧いただけます。

watanabeyasさん(@watanabeyas)が投稿した動画 - 2018/04/20 14:22:46