伊勢谷友介のインスタグラム(iseya_yusuke) - 8月7日 20時32分

夏の夜。
　柔らかいウィールで路面をエロく撫でながら、近所の周遊に興じていた時のこと。
　夜なのに暖かくなりきったコンクリートにしがみつき、薄緑色の生まれたての羽を伸ばす蝉を発見。
　この華奢で今にも吹いたら落ちてしまいそうな、か弱い透明感から、あの黒と茶色のギャーギャー言うやつになるってんだからね。。。
　嫌いじゃないよ、嫌いじゃないけど、サナギから出てきた時の君と言ったら、あまりにも美しすぎるし、儚すぎるじゃないか。
　成虫になった君の寿命は2週間。その間に7年土の中で幼虫として過ごす子孫達を残すためだけに、成虫は生きる。飛ぶ。鳴く。
　外灯の明かりで昼夜関係なく鳴いている君。土から出て、木に登る事なく、アスファルトの上で大人になる君。それでも尚とめどなく生まれ続け、夏鳴き続ける君。
　もし君がいなくなったら、夏のロケも楽だろう。僕もアフレコをしなくて済む。道で死にかける君を土の上に寄せようと持ち上げ、最後の一鳴きに驚く必要もなくなるだろう。
　でも、もし君がいなくなったら、日本の夏は、ないのも同然。
　頑張れ、アブラゼミ。

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