花代のインスタグラム(hanapooo) - 11月12日 19時57分


50 秒。
リュミエール兄弟による、世界で初めての動く画像による記念碑的 作品「工場の出口」は 50秒であった。
1895 年当時、35 ミリフィルム1本の ⻑さは17メートル、撮影できる時間の限界は 50秒。127 年後の今日、映像 表現は、時間的、技術的制約から解放され自 由になったように見える。 初めてスマートフォンを与えられた小学生から、VR 技術を駆使するゲーム 作家まで、あるいは、SNS に集う見知らぬ知り合いたちから、数億ドルを投 じ るハリウッド映画監督まで、今や地球上のあらゆる人間が映像の作り手となっている。
アートの世界でも(もしそのような世界があるとして)、映像 作品の多様性と重要性は増すばかりで、大規模な国際展でもその割合は増 加の傾向にあると言う。映像のみに焦点をあてたグループ展も今やなくては ならない存在だ。しかし、誰もが映像を簡単に扱えるようになった 今日の日 常的状況を照らしてみれば、映像を扱うアーティストはまだ少なく、アート としての映像に対するハードルは いまだに高いと言えるのかもしれない。
ここで、歴史を折り紙のように折りたたんで、現代と1895 年を接続させてみるのはどうだろうか。少し乱暴ではあるが、あえて時代に逆行し、映像作品 にとってはひどく不自由な制 限を与えてみることで、裾野を拡張し、新しいものが生まれてくる可能性はないだろうか。
つまり 50 秒という時間的制約 を制作する者たちに課すこと。50 秒は、しばしば⻑時間におよぶ現代の映像作品からみれば極端に短かすぎる時間であるが、日常で浴び続けている SNS内での映像やテレビCM などにはより時間的に接近するものだ。 その 50 秒でアート にできることはあるのか。50 秒だからこそ超えられる ハードルがあるのではないか。
この展覧会には、いままでまったく映像を扱 ってこなかったアーティストも、映像作品に⻑ 年取り組んできたアーティスト も垣根なく招待しよう。
そこでは多種多様な技術や主題の 50 秒の作品が 次々と映し出されるだろう。そして、連続するいくつもの50 秒作品の総体 は、どんな姿を現すのだろうか。 ぜひ、闇に浮かぶ新しい光の連続を目撃してほしい。ソー ダ工場跡地に誕生 したアーティスト・ラン・スペース soda がこの展覧会の会場だ。 まった く新しい「工場の出口」を今ここに始めよう。
わたしたちに与えられた時間は 50 秒。そし て、また、50 秒。50 秒。50 秒。


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2022/11/12

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