安藤裕子のインスタグラム(yuko_ando) - 4月3日 14時51分
かれこれ10数年前、「牙の行方」という記事を書き発言をするという事の重みを少し知ったように思う。
これで良いの?
社会に声を上げるという事の怖さを知らぬが故出来たところもあったと思う。
当時、いや、もう既に長く始まっていた音楽業界の一時代の終わりを口にした記事でした。
大きな傘の下、沢山のミュージシャンやスタジオやエンジニア、楽器を取り扱うプロフェッショナル達にお世話になり、煌めくような楽器の音色を聴かせて貰いました。
しかし音を奏でる人々の作物は、いつしか音を奏でない人々に奪われていった。
そして多くのスタジオが畳まれ、機材も人材も流れの中沢山消えていきました。
そんな話です。
本当にそれでよかったの?
そんな疑問でした。
事の流れに正解も不正解もない。正義も悪もなく、どんな世界でも新生と淘汰は続きます。
変容する。我々はそうするしかなかったんだろうとも思います。
私のような端っこの人間の言葉が何かを変えるなんて事は起きやしない。
しかし一つの疑問は小さな波紋となり、いつしか多くの方から言葉を頂く事になりました。
語らう事で急流から横に逸れる可能性だってあったんだと思う。
語らいにはそんな力が秘められている。
しかし顔の見えない人々からのお叱りや追求は怖くもありました。
物を言うだけで人から殴られるなんて知らなかった
「歌だけ歌ってろよ」
怖かったなあ。
私は音を奏でるのが大好きです。
別に音を使ってなんかを成し遂げようなんて思わないです。
ただただ体が動く限り作ったり鳴らしたりしていたい。
ただ一人間として感じる疑問はある。
でもね。
覆面の正義は怖いです。
そして私は公の言葉を控えるようにもなった。
若い時分の思い出話です。
当時この記事を由来に坂本龍一さんとお話する機会を頂きました。
思い起こされるのは、柳の木のようにしなやかに、軽妙に揺れ、楽しそうに語る姿。
鋭く疑問と受容を今際の際まで続けていたお姿には感服いたします。
ご冥福をお祈りいたします。
安藤裕子
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2023/4/3