今成夢人のインスタグラム(yumehitoimanari) - 9月6日 04時23分

『エドワード・ヤンの恋愛時代』を銀座で観る。1994年の映画の4Kリマスター。成長著しい台北の街の瑞々しさと、そこの街に呼応して生きる男女たちが出てくる。仕事に悩み、生きることに悩み、関係性に悩み。その街で仕事をするだけで、様々な相関関係が形成されていき、またそこにある摩擦によって感情を制御出来なくなったり。シナリオが役者たちを活き活きとスクリーンに立ち上がらせてくる。カットが割られたり、カメラが顔に寄ったりするわけではない。けど明らかに動的なイメージをフレームに収めて一種の青春群像劇(使い古された表現だ…)にしている。各シーンは誰かと誰かの対話で構成されており、カップリング、ペアリングの妙で見やすい。2人の組み合わせ、2人のタッグとダイアローグがどんどんと相関関係を作っていくのだ。そうした会話の一つ一つが街や時代と絡み合い、蜘蛛の巣状になっていく。誰もがそこにポツンと立たされているのだ。そんなことを考え、鑑賞をした後にいわゆるジモティーたちと再会する。やはりそこでも会話を紡いで、記憶を紡いでいる。昔話と今を接続しながら、まだ夏の暑さの残る街の外で飲むハイボールは美味かった。映画と現実がまた絡む。私の人生もまた群像劇の如く、街と時代と呼応して流れていくのだなと感じた。それにしても中学生時代のしょっぱい記憶は辛味のある料理とハイボールとレモンサワーが合う。沁みた。

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