モルのインスタグラム(m_scape) - 4月15日 20時14分
?? ②
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「どちら様ですか?」
『ちょw Wさんまで~』
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ボクをからかっているだけかと思い、会社の所属部署やふたりの今までのやりとりを話してみたが、まったく覚えていないという。
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彼女の口調からはボクをからかっているようには見えない。
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しょうがない、と一緒に写っている写真を見せようとカメラロールをあさったが、2人の写真どころか、ボクが他人と一緒に写ってる写真がすべて消えていた。
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いったんWさんを解放し、しばらく1人で黙考する。
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もしかしてボクが元から存在しない世界にきてしまったとか?
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今朝も、普段は仲良く喋ってるSさんにあんな態度をとられたことが意外だったが、ボクを知らないとなればあのやり取りにも合点がいく。
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その後、席に座っていても会社の同僚に(あいつ誰だ?)的な表情を浮かべられる。
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居心地が悪い中、人の視線を避けるようにPCの画面だけ見つめて午前中を過ごしていた。
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よほど凹んでいたのだろう。
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心配したWさんが「だいじょうぶですか?」とボクをカフェに連れて行ってくれ、話を聞いてくれることに。
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今朝起きてから今まででいつもと違う行動はなかったですかと聞かれ、早めに起きていつもと違う色の電車にのったことを話すと、もう一度その電車にのれば元の世界に戻れるかもしれませんねとアドバイスをくれた。
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「なにかあったら連絡ください」
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とLINEを交換し、その日はとりあえず早退し自宅に戻ることに。
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翌朝、1時間早く起きたボクは、前日の行動をなぞらえるように準備を始める。
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駅につくといつもの電車がとまっていた。
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あれ?あの色じゃない...
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しかたなくその電車に乗り込み会社に行くと、相変わらず「誰?」的な疎外感。
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フリーアドレスのためいつもと違うメンツが周りにいるのはよくあることだが、フロアの誰も知らないってのはなんとも居心地が悪い。
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昼休み、Wさんが席をたずねてくれた。
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事情を知っている人が一人でもいるというのは心強い。
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「帰れなかったんですか?」
『昨日と同じ色の電車がきてなくて...』
「明日にはくるかも知れませんよ。元気出してください!」
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その日は誰のだかわからない仕事をこなしつつ、家路についた。
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翌朝も1時間早めに出かけたが、やはりいつもの色の電車がホームにいた。
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(くそっ。これじゃいつまでたっても帰れないじゃないか)
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また気まずい1日を過ごし、帰ろうとしたところをWさんに呼び止められる。
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「こっちではお友達いないんですよね?
よかったら夜ご飯一緒にどうですか?」
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#自分のいない世界
#2話目で既にキャプストックなし
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2015/4/15