平野紗季子さんのインスタグラム写真 - (平野紗季子Instagram)「私名古屋から来たんです。あした会社の入社式が東京であって。ノーレーズンサンド買えて嬉しいです。今日の夜ホテルで食べます。一人でやってきた女の子がショーケースの向こうから、そう伝えてくれた。学生から社会人になるときの春の縫い目にあった、何もかもが不確かな感触を今も覚えている。途方もないところへ押し流されてしまうような不安、自由を手放してしまったような引き返せなさ、春休みの最後の一週間のぼんやりとした午後、最後のひだまり。きっと彼女もそうだとしたら。慣れない東京で、人混みをかき分けて、こんなにも心許ないのに、それでも前向きに頑張らなくちゃいけない空気の中で息をしているとしたら。ビジネスホテルの冷蔵庫で小さく冷えているサンドができることを思う。ベッドの上で開かれたバターサンドが、すこしの安心や、すこしでも背中を押す力になれていたのなら、それはとてもとても嬉しい。お菓子屋さんをやっていると、大変だなって思うことがたくさんある。だけど、その日々が、そこで生まれた一つ一つのお菓子が、誰かの背中をそっと押してあげられるなら、誰かのささやかな光になれるなら、もうそれ以上のことって他にあるんだろうか。ポップアップ、たくさんの出会いをありがとうございました。ノーレーズンサンドイッチが、喜びにも悲しみにも寄り添える菓子でありますように。 Yes and No. Happy and Sad. (NO) RAISIN SANDWICH @noraisinsandwich 🤍」4月4日 22時46分